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▷ 大谷石造りの建物の歴史

NESTo(ネスト)は1925年に建てられた大谷石の石蔵を改修してできました。もともとは煙草を保管する蔵として建設され、その後はこの地域でも盛んだった絹織物の倉庫として長く間使われていました。残念ながら当時の写真は残っていないそうですが、まちの産業を支える場所だったのです。(昔の石蔵が写っている写真をお持ちの方がいらっしゃいましたらご連絡いただければうれしいです!)NESToになる前までは、町のお祭りで使われるお神輿などの置き場となっていました。

関東最大級の石造建築とも言われる貴重な蔵。一階には3カ所の出入口、二階部分には6カ所の開口部があり、外から見てもとても荘厳なつくりです。建物内の天井部分の小屋組は丸太による和小屋組で、棟木には大正十四年(1924)十二月三日という墨書が残っていることから、上棟された年月日を確定することができました。(情報提供:小川町創り文化プロジェクト

栃木県宇都宮市北西部の大谷町付近一帯で採掘される石材である大谷石。柔らかく加工がしやすいことから、古くから外壁や土蔵などの建材として使用されてきたそうです。NESToの石肌にはつるはしの跡が残っており、人の手によって採掘・加工されたものであることがわかります。

大谷石はマイナスイオンを発生し、細胞の活性化や免疫強化、自律神経の調整、精神安定、空気の清浄化などさまざまな有効作用があるそうです。NESToで長い時間過ごすとリラックスできるのは気のせいではないのでしょう。

「オーガニックアーキテクチャー(有機的建築)」という概念を提唱した建築家フランク・ロイド・ライトも、帝国ホテルを建設する際に大谷石を用いています。石と木という天然の素材でできた空間は、私たちの内なる野性を呼び覚ますような場所です。オーガニックタウンとして知られる小川町に、新たなオーガニックな場が生まれました。

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